11月も中旬になりました。
近所の郵便局には毎年のこと、年賀状発売ののぼりがたっています。
また来年の年賀状のデザインとか頭を悩ます季節です。
だが、この同じ時期に「喪中につき年末年始の ご挨拶ご遠慮申し上げます」という葉書も数枚届きました。これも毎年のことです。
そのうちに驚きの一枚がありました。
今から50年近く昔のことでしたが、大阪でお菓子の修行にて小さな和菓子屋に暮らしていました。
住み込みってやつです。
この当時絵描きのご夫婦と知り合ったのです。ちょうど私の親と同じような年齢でした。
私は絵は描かぬのに、弟子の絵描きさんに交じってよく伺いました。とても世話になったものです。
先生(ご主人)はだいぶ前に亡くなっていたんですが、その後もその奥さん宛に四十数年間鳥取の梨を送り続けていたんです。そして、流暢な字でお礼の葉書が届いていました。
が、今年は娘さんからの電話でした。「母は動けないから変わって電話をしている。」と。
私、そうかと思い、元気を出すように葉書を書こうと思ってたんです。
そういえば去年も書こうとしてた。
だが先に昨日娘さんの名前で葉書が届きました。母が永眠したと。
若い頃、実の息子のようにとてもお世話になったんです。
その葉書を見て、どういえばいいのか。胸にある何冊かのノート?または小さな本?その一冊が最後のページが終わり、そして閉じられた。そんな感触がありました。