ずっと店のとびらはしまっています。
もう二年くらいになるかもしれない。
Y理容所のYさんも歳とったのですよ。
今日そこで散髪してきたんです。
老人夫婦で髪を刈ってくれるんです。
二人ともずっと長い仕事で背中が歪んでいます。
私は生まれてからずっとここで散髪してもらってるんです。
何にも言わなくても、どう刈ったらいいのか分かってるわけで、またそれ以上に安心できる散髪屋さんなんです。
鋳物師橋のたもとにあります。
入口はカーテンがかかったままで、赤、青、白の帯がグルグルまわる看板は長い間とまったままです。
が、電話して、散髪してもらうんですよ。
この前はそんな客が4人だと聞いていたんですが、このまえそのうちの一人が亡くなって、今、三人だ。
主人は職人ですよ。
髪を切ったそのあとでも、急にはさみと櫛をもってわずかな髪をカットしたりするんです。
結果髪が伸びてもあまり違和感を覚えずにいられるんです。
ま、しかし、今の代で終わりです。
開業は今の代が三代目で、現在80歳くらいだから、プラス20歳さらに20歳としても120年前ってことになるんで、日露戦争よりも昔ではないかと思うんです。
いやはやですよ。
もう一つ。
古本の「ブック〇フ」に孫の本を買いに行ったんです。
と、英和儀典も、古語辞典も、国語辞典も、漢和辞典も108円でした。
山岡壮八(字が違うかな)の徳川家康のハードカバーのりっぱな本も、各巻108円でした。
なんだかなぁ?
ワシ時代遅れだゎ。