読んでた本です。
半藤一利さんの「あの戦争と日本人」です。
あの戦争とはもちろん太平洋戦争ですが、日本式にいうと大東亜戦争ということになります。
半藤さん自身旧制中学の時に、昭和20年3月10日の「東京大空襲」で死にかけて、さらに茨木でアメリカ軍の戦闘機から機銃掃射を受けたりと、大変な経験をしたんです。
その後新潟の長岡に疎開して終戦をむかえたんです。
長岡といえば山本五十六のそして河井継之助出身地というのも面白いところです。
内容としては苦労して負けなかった日露戦争だが、その後は日本は傲慢になったこととか、ちょうど年取った先輩から話を聞いているような感じです。
わかりやすいですよ。
ただまぁ、ウクライナでは実際に無茶な戦争が行われているんで、ロシアのPさんのやり口はかっての日本軍部とよく似ており、あぁ、権力者というのは同じなんだと、人間の愚かさというか、どうしようもなさを感じるところです。
幕末から終戦ごろまで書いてあるんですが、著者は文芸春秋社にかって務めていた人なので、出版界、マスコミにも話はおよび、その関係者も戦争遂行に加担したことにも触れています。
はは、なんだよ!ってなもんですねぇ。
そうそう、一番印象的だったものがあったんだ。
この戦争での戦闘員の戦死者は、陸軍165万人、海軍47万人だそうです。
で、このうち広義の飢餓による死者は( )%か?
そして、このうちで海軍の海没者は18万人で、陸軍は?
と、問いがあるんですが、わかりますか?
前者は70%で、後者は18万人、だそうですよ。
いかに大日本軍の作戦がいいかげんだったか?
ましてや兵隊でも「偉い兵隊」はそうそう死なない。
死ぬのは名もない兵士たちです。
どうしてそんなことになったのか、日本人はよ~く考えないけんで。