以前にも少し書いたと思うんだけど、「もう一つの幕末史」を読んだ。
まぁ、たいてい我が家の中で扉のある一番狭い部屋、朝一日一度必ず入るおこもり部屋で読みました。
著者は半藤一利さんですよ。
で、中身はっていうと、幕末史。
幕末ですよ。
動乱期。
普通薩摩、長州が日本を救ったのだ。
と、言うのが幕末史です。
どっこい、この著者は違います。
生まれは江戸、いや、東京。
東京下町に住んでた。東京大空襲にもあった。
さらには戦争中の疎開先が長岡で、これも薩長と戦争した藩ですよ。
だから、薩長なんて正義ではない。
よって徳川幕府側からの歴史ってもんを書いている。
面白いですよ。
だいたい攘夷なんて言ってたやつが、いつの間にか明治新政府の偉い役人になってふんぞり返っているわけで、いけんがなぁ。
外国と先に条約を結んだ幕府の方が、その危機感はあったのではないか?
まぁ、対処できた人は一部だったけどもねぇ。
人物は出てきてますよ。
要は尊王攘夷といっていたものが、尊王倒幕と変えて、幕府を滅ぼし、自らのいわば革命政府を作ることが目的ではなかったかと、そんなふうにも見えるわけです。
そんな視点で書いてある。
実際会津松平藩なんか、まったく悪いところはないですって。
ただ、幕府方で働いたのがだめだったんで、みなまじめな武士の集まりですよ。
実際会津若松へ行ってみれば駅前に江戸時代から子供に教える「什(じゅう)の掟」というのが看板になって立ててあるんで、まじめですよ。
その藩が一番新政府軍なるものにこっぴどくやられた。
長岡藩も戦争はしないと薩長軍に伝えにいったものが、そうはならなかった。
歴史とは勝ったものが書くわけです。
もっとも明治ってのは勝った新政府も新しい日本を作るのには、えらく大変だった。
外国の植民地にならなくてよかったですよ。
ほんと、そう思う。
まぁ、読んでみて下さい。