寒氷(かんこおり)です。寒い氷。面白い名前です。半製品の名称です。
この名称、名も知らぬ昔の職人はよくぞつけたと思います。
寒天に砂糖を混ぜ入れ、かなり煮詰めて、基本はすりこぎですります。徐々に空気がはいり、そう、すりガラスと考えればいいかと思います。
ようかん舟に流して、固まったあとで、あくる日に金属性の抜き型で抜くわけです。
これだけでは、もう一つ足りない。色、模様を入れなければなりません。
染物でも使いますが、渋紙を彫刻刀で必要な模様を切ります。
これを利用して模様をいれるのですが、染物の染料にあたるもの、これを作らねば‥。
まず粉糖を用意して、あ、これきちんと粉になったものですよ。粉糖に卵白と酢、わずかの色を混ぜます。よく混ぜます。
これをちょうど染物のように渋紙をあてた上から下敷き状のもので刷りいれるのです。
乾いたら、出来上がりということです。
この作り方を弊店で教えたのは私。現在一番上手に作るのは女将です。
たいていは女将が作りますが、たまに私が作っていると、横から口をだします。
「あぁ、ふ~む。まだ、まだだなぁ。刷りがあまいゎ。」
利口げにのたまいます。
先ほど店を閉め、今色々かたずけているところですが、この時間になると、愛猫もなかが裏の家の二階で窓から顔をのぞかせて今か今かと待っています。さて、行ってやりますか‥‥。