10日のことでした。
薄明の朝5時5分に蜩が、そう、道路はさんだところにある糸杉からでしょうか?
カナカナカナカナ、カナカナ、と鳴いたのです。
今年初めての近さです。
それは「早く聞きに来いな。早よ来んと鳴くのが聞けんんようになるで。」とでも伝えに来たように思えたのです。
はいはいと、台風11号の影響で小雨が降る中、女将を積んで出かけました。
「おおちだに」です。
しばらくの雨で、さすがに水の流れる音はしっかりと聞くことができます。
だが、肝心の蜩は聞こえない。
いや、一匹聞こえた。なんだよ、一匹かよ?
と、がっかりです。
雨の風情にまぁええかと少しあきらめ気味で奥へ進んだのです。
と、あらら、「つくつくぼうし」ですよ。
神社の前あたり。
「ツクツクボウシ、ツクツクボウシ、ウィオース,ジーッ。」
それとも
「ウォ‐シンツクツク、ウォ―シンツクツク、ウィオース、ジーッ。」
文字で入力するとすごいわなぁ。
長いし手間がいります。
でも、聞くことができ少し得した気持ちになりました。
で、そのままさらに奥へ進むんです。
進むうち、「カナカナカナ。」と一匹。
さらに少し距離をもって一匹。
ところが宮池ちかくになると聞こえてきました。
中学校くらいの合唱団。
去年と違ってしっかりと水をたたえた池に来ると、高校の合唱団。
よし、じゃぁ、池の向こうまで行ってみるかと、傘をさしながら進むと、そのカナカナがどんどん大きく耳に寄せてくるんです。
池をすっかり回るころになると、蜩時雨ですよ。
ほら、聞こえるでしょう?
はは、無理か?
なんなのか?すごく情感を感じます。
これが晴れだったらもっとたくさんの蜩が鳴いていたに違いないのですがいやぁ、十分。
小雨は小雨の情緒をしっかりと堪能しました。
で、この10日の日曜日、散髪もし、少しさっぱりしたかな。