尾崎放哉は41歳でなくなりましたが、同じく酒をのまずにはおれなかった山頭火は58歳まで生きました。
放哉よりも2歳と一か月歳が上です。
そしてたぶん山頭火のほうが放哉よりめちゃくちゃ飲んだのではないかと思われるんです。
「まず ほろほろ、それから、ふらふら、そして、ぐでぐで、ごろごろ、ぼろぼろ、どろどろ」が酔っ払いの様子だそうで、ほろほろの時で3合のんでいるそうです。
造り酒屋を山口県でしていたそうですが、これが倒産。まさか自分で飲んだんではないとは思うのですが。
学歴は早稲田を中退してますが、頭はいいのでしょう、外国文学の翻訳なんかもしてる。
そして、得度もしてるから、れっきとした僧ですよ。だからあの有名な墨染めの衣姿なんでしょうねぇ。
まぁ、有名すぎてあまり書く必要もないでしょう。
ひたすら歩くんですよねぇ。命を懸けて歩く。酒を飲んでは歩く。たまには女も買う。
啄木も放哉も、山頭火も飲む。社会には適合できずに歌を詠む。
その歌が、句が残っているんです。
「肉体に酒、心に句、酒は肉体の句で、句は心の酒だ」そうです。
この旅果もない旅のつくつくぼうし
生死の中の雪降りしきる
おちついて死ねそうな草萌ゆる
焼き捨てて日記の灰のこれだけか
こころ疲れて山が海が美しすぎる
一羽来て啼かない鳥である
鴉啼いてわたしも一人
結局はそうならずにはいかなかったのでしょうねぇ。
私なんかたくさんの酒を飲んでも残るのは頭痛と後悔ばかりで、一句たりとも残りません。
ここが大きな違いなんでしょうねぇ。