先日読み終わりました。
日本軍がたくさんの犠牲者を意味もなしにだして負ける面白くない本です。その原因を書いた、あ、いや、よくも書いていただいた本なんです。
「ノモンハンの夏」半藤一利著 です。
昭和14年に満州国とモンゴルの国境紛争で日本軍とソ連軍が衝突した戦争です。日本軍は完膚無きままに負けました。
この戦争に関しては、かって司馬遼太郎さんが記そうと調べたんです。ところが調べれば調べるにつれてむなしくなってしまったようです。日本陸軍、特に関東軍の上層部のいい加減さに、あきれ、人間が人間を忘れてしまってる、といえばいいのか。司馬さんは自分がこわれてしまうからと、結局書くことを断念した戦争ですよ。
これを知りながら半藤さんはチャレンジしたわけです。たいしたもんですよ。日本陸軍のその当時の問題点がはっきりと書かれています。
私はこの本を読んだ後の気持ちを書こうとしたが、えらく長くなるんで、これはやめました。で、あとがきにある文章をそのまま書き移そうと思うのです。これでもかなりブログとしてはながい。
あの悪名高き無責任な中心的人物、辻政信に筆者がインタビューしたときの感想です。
「その姿は眼光炯々、荒法師をおもわせる相貌と本文中に書いたが、笑うとその笑顔は驚くほど無邪気な、なんの疑いをも抱きたくなくなるようなそれとなった。」
「戦後の辻参謀は狂いもしなければ死にもしなかった。いや、戦犯からのがれるための逃亡生活が終わると、<潜行三千里>ほかのベストセラーをつぎつぎものし、立候補して国家の選良となっていた。議員会館の一室で初めて対面したとき、およそ現実の人の世には存在することはないとずっと考えていた[絶対悪]が、背広姿でふわふわとしたソファに座っているのを眼前に見るの思いを抱いたものであった。」
まだつづく。