17日の土曜日である。
昼過ぎに女将が声をあげた。
「あんなぁ、いまなぁ鳥がガラスにぶつかっただが!ガラスに毛が付いてる。今そこの枝にとまっとるわいな!」
工場から出てみると店の前のナナカマドの枝に小さな小鳥がとまっている。逃げようともしない。
まぁ小鳥は小さな鳥にきまっているものだが、ほんとに今まで見たものよりも小さな小鳥であった。
もちろん名前もしらない。
店のドアのガラスにぶつかったわけだが、外の方が明るく店はそれより暗い。ガラスがちょうど鏡の役目をして、空やら家やらが映っていたので、ガラスとは気がつかなかったであろう。
おそらく勢いよく体当たりしたのだろう。
ナナカマドの枝で逃げることも忘れて、ただ、ただ、とまっている。
近くにカメラを寄せても気配を変えない。
呆けた様である。
ま、でも足も折れてはいないみたいだし、羽も大丈夫なようである。
すぐに元気になって飛んでいくだろうとそのままにしておいた。
いまだに名前も知らない。
そう、これがガラスに着いた羽である。
なんともびっくりであろう・
こう、こんな小さな小鳥でも一生懸命生きている。
なんかいいですよ。