そういえば去年の蝉の鳴くのを聞いてないな。と思い、じゃぁ、今年のものを聞きに行くか。
と、ばかりに出かけたんです。
この前行った美歎の水源地に行けば聞けるだろうと、ひょっとして蜩なんかを聞けるかもしれないとの目論見です。
午前9時になってなかった。
確かに蝉は鳴いていた。
だが、道中の道路からでも聞こえたアブラゼミばかり。
なんだよとばかりに、気を落としたのですが、鶯が啼いている。
まじかに鶯の声を何度も聞きました。
だもんで、まぁいいかと納得したんです。
ダムに溜まった水面を見ると、なんと、ボート持参で魚釣りをしている親子がいる。
なにが釣れるんだろうと、女将はウナギぐらいおろうで、との見解。
天気は良し、空気は良し。
緑もいっぱいの山の中です。
よし帰ろうと、道路へ出たとき、帰るなら左へ、だが、右へハンドルを切ったのです。
坂、ずっと上り坂、行けどもずっと上り坂。
ずっと山の中です。
いったいどこへ行くのかわからない。
だが、道路はずっと舗装されているんで、鳥取県は金持ちなのか。
なかなか峠にならないんです。
で、おう、これが峠だと思う間もなく右の視界が明けた。
いやぁ、山々の眺めですよ。
久しぶりにこんな眺めを見た。
こりゃぁ写真撮らないけんがなぁと、女将を道路の端に立たせてシャッター押そうとしてたら、
先ほど我々が来た方角から、バイクの音。
へー、通る人がけっこういるんだと少しびっくり。
確かに三台ほどの車とすれ違ったと思う。
で、そのまま福部の駅まで行ったら、列車は来なかったが、そこに一人女の人がいたんです。
色々話して、我々が帰ろうとすると車の店名を見て、「あ、ホテイ堂さんか?主人がくりまんじゅうを好きで買いに行くだが。」との言葉。
世間は狭いもんですよ。
結局、国府町から山に入り、福部から砂丘の近くを通り、種が池の旧道を通って帰ってまいりました。
この、種が池の道路もアブラゼミばかりだったと思う。