誰もが口にする「暑いなぁ。」
思うに誰かが「暑い」という言葉に著作権を設定してたら大谷翔平より、いい収入になるかもしれない。
朝の散歩には女将だけでなく、ワシも傘をさして歩ってる。
でないと、干からびる。
実際千代川の河川敷ではアスファルトの上にミミズが目立ちだした。
なかには死んで蟻がたかっているものもある。
なんでこの暑い時期に出てこなければならないのか。
目があるわけではないから、賢い奴は夜にアスファルトの道路を横断してるかもしれない。
さて、話は変わる。
弊店は今年の4月で開店から百年となる。
そこで、お得意先に葉書を出して、これと引き換えに「ろっぽうやき」を進呈することになったんです。
期間は8月いっぱいです。
で、年賀状とか、いつもワシがその文章を作るんで、二日かけて、葉書を作ったんですよ。
かっての店の写真入りで、いろいろな百年の歴史もそれなりに編み込んで、おぉ、出来たがな。
って、なかなかのもんが完成したんです。
これを見せるに、しかし、タオちゃんにも評判が悪い。
皆に評判が悪いんですよ。
ワシとしては、今司馬遼太郎さんの文庫本を読んでいるんで、たぶん、その大作家になった気分で文章をこさえてた、と、思う。
その百年の歴史の中には、満州事変、日中戦争、さらには太平洋戦争、B29の爆撃、広島、長崎の原爆、もちろん、鳥取大震災、鳥取大火も書き加えていったんですよ。
何しろ大作家ですよ。
よくできたと思った。
ところが、女将はすぐに添削を始める始末。
「満州事変や日中戦争なんて、誰も分からんわいな。」とのたまう。
「あ、そうかいや、だったら、これからもお前らが書けよな。ワシはもう、書かんけな。」とワシ。
「あんたが書いたのがあるけぇ、こうして直せるだが。」と知恵のある言葉。
あくる日の今日、ワシは訂正した。
直木賞はもらえんかった。
気が付けば百年なんです。
1923年(大正12年)4月に開業したんです。
この年9月に、関東大震災がありました。
はは、これも省かれたんだゎ。
と、まぁ、なんだかんだで百一年目が日を重ねています。