春の彼岸の中日の前日のこと。
彼岸の中日と言うのは、一般的には「春分の日」といいます。
和菓子屋としては、これは忙しいんですよ。
その日、昼ご飯を食べようと、箸を持って構えたその時、女将がリビングの掃き出し窓の外から叫んでる。
よく聞くと、Hさんが来た。とのこと。
残念だが箸を置いて店に出た。
佐世保に住むHさんですよ。
高校の時の同じクラブです。
年に二三度、佐世保の土産を持ってやって来る。
「おう、彼岸だから帰って来たのだな。」と思う。
後で考えると、去年もこの日店へやって来ていた。
なんか小説をもう一度読んでるような、おかしな感覚。
違うのは、去年は奥さんも一緒であった。
そういえばこの私、去年は彼岸の中日の二日前に退院したのである。
よって18日は「退院記念日」だで。
で、その次の日にHさんが店に来たんだ。
その日は結局しんどくて仕事が出来ず安静にしていたんだ。
中日も寝ていた。
そうだった、そうだったのだ。
今年は忙しく仕事している。
売り切れの商品は多い。
なんともなぁ、間に合わん。
「おっきいじいちゃん硬ボーロ」、「おっきいばあちゃん丸ボーロ」もない。
「仁風閣小倉」、仁風閣黒糖」もほとんどない。「仁風閣抹茶」はなんとか先日作ったがなぁ。
「おいり」は何度造っても足りない。
「袋川桜土手どら」は無くなるのが早いか、負けずに作るのが早いか、いい勝負だで。
はは、高齢者は頑張っているのだ。
ありがたいことに神戸から妹たちが時々かえって来て、食事を作ってくれる。
この妹たちもええ歳だで。
膝が痛いとか言いながら食事を作ってくれてる。
そういえばHさんの奥さんも手術したとのことで、似た年には似た話を聞く。
まぁ、これも、早期発見でよかったようだ。
ワシ、明日は検査で医者へ行かないけんだわい。
カテーテルを膀胱まで突っ込まれるし、病院はもういらない。
そうだ、明るい話だで。
女将の誕生日はまだだが、プレゼントは早々とやって来た。
毎年の嬉しい顔だ。
G寺の住職も幸せだろう。
最後に迷句だ。
喜寿の秋 肌寒き日も 二人きり
これは最初は「喜寿の春」としたが、「肌寒き」というのは秋につかうものらしい。
たしかに秋のほうがまとまる。
ならば「二人きり」より「一人きり」のほうがさらにまとまるが、我々夫婦は大勢の家族の中で暮らしてきて、今、二人ボッチなんです。
「咳をしても一人」までいくと、えらく寂しい。
まぁ、二人だから頑張れる。
花は花 緑葉みどり 椿かな
椿の緑の葉はとてもきれいですよ。花に負けていない。
今日は終わり。








