日光という所、ええ名前だでなぁ。
日の光と書く。
で、どこにあるかというと、国道9号線を鳥取から西へ走ると20キロくらいかな。
宝木を過ぎて日光坂にさしかかる、その坂の下の信号を左のまがると、ここが日光池です。
普段は田んぼで、冬は池になります。
亀井茲矩という鹿野の殿様が池だったところを新しく田んぼを拓いたところです。
この田んぼというか、池というか、この周りには農道がめぐっています。
それに添うて農家があるんです。
池の向こうには小高くなって山陰線の線路が東西に走っているんです。
左の道を行くと踏み切りへも行けるんです。
で、我々はこの狭い左の道を白鳥を探してゆっくり進むんですが、見えない。見えない。
一羽も白鳥が見えない。
鴨はたくさんいるのにねぇ、と?
これは差別ではないか?白鳥も鴨も同じ鳥。しかも苦労してこの日本に渡ってきた鳥ですよ。
それを、なんだ?鴨はたくさんいるのにねぇ。との言い草はけしからん。と、思う。
でも白鳥はいない。列車も通らない。
で、以前には上まで上がらなかったここの神社を見ることにしたんです。
ここはここでいわれがあるんですが、ここの鎮守様です。
この階段を上がってみたわけです。
いやはや息が切れました。
高校のときあの久松山の城跡で走っていた勢いはどこ行ったんでしょうかねぇ。
ここには大晦日から元旦にかけてこの日光の人たちがお参りしたのではないかと感じたんです。
と、ちょっとびっくりするくらいに大きな音で踏み切りの、あの、「カンカンカンカンカン‥‥という音が響いたんです。
あら、列車が来るが、とひきかえそうと、しかし、こけないようにゆっくりと石段を降りました。
女将が線路わきにいましたよ。
おう、列車が通る。と少々満足でした。
この線路を越えた上にも田んぼがあるんですが、そこには水がない。
山沿いの線路です。
古い石造りのトンネルで、雰囲気あるでと、白鳥見えずに帰るかと、線路から池の方向へ、停めた車のほうに歩きかけたときでした。
犬の泣き声?上のほうの田んぼには水はないし、「コウ!コーウッ。」なんだ?何の泣き声だ?
‥‥‥上、我々の上、頭上を顎をあげて見たら、無数の大きな白い鳥が、リーダーの指示に従って、頭上を越えて目の前の池へ降りてきたんです。
あわてましたね、私は。思いもよらぬ事で、白鳥が一羽もおらんでと思ってたら、急にたくさんの白鳥が空から降りてきたんですよ。
これにはカメラをあわてて空にむけたものの、明るすぎて液晶が見えない。
白鳥達は頭上を越えてしまう。
最初の一枚はなんも映ってなかった。
で、やっと押したシャッターがこの画像ですよ。
こういうのを感動というのでしょうか?
同じ生きとし生きるものが集団で海を越えて、命をかけてやってきたんです。
と、思っているんです。ひょっとしたらもっと前に来てたかもしれない。
でも私はそうではなく、「お、今渡ってきたんだ」と思ったんです。
さらに面白いのは、皆が池に下りたときに、白鳥同士皆がなにかしゃべりあっていたんです。
ちょうど「、〇〇さんはおるか?おるおる!△△さんは無事か?大丈夫だで。」とにぎやかにしゃべりあっていたんです。
あ、この画像はそのしゃべりあっていた、その後の画像なんですが、静かになって池に散って行きました。
いやぁ、感動ですよ。
ほんと。