今日顔を赤らめた綺麗に刈った坊主頭の若者が店へきました。
緊張の限り。
一枚の名刺を手の中へ握っていました。
昨日私ももらったものと同じもの。
昨日弊店の横に鳥取市の軽自動車が止まりました。
降りてきたのは鳥銀のMさん。
もらった名刺には、
なんと、今は鳥取市に勤めているとのことで経済戦略課に属しているとのこと。
その時に、和菓子職人になりたい若者がいるとのことでどうにかならんかとの相談。
和菓子職人にとってこれは嬉しいことです。
でもこの若者は腕もないので、だからこそ6ヶ月は鳥取市から給料はでるし、弊店にもそれなりの金額は支給するとのこと。
でもなぁ、6ヶ月で和菓子を覚えるなんて絶対無理ですよ。
季節が、日本の四季が基本であれば絶対無理。
数年はかかります。最低のことでも。
店舗補佐のたおちゃんでもいま修行中。
給料もろくにもらえず日々精進しているのです。
その姿も観て、そうだはなぁと、Mさんは帰っていきました。
そしたら、今日、本人が来ました。
でも、無理。
無理です。
鳥取で和菓子を造りたいなんて、そうそうないのです。
でも対応できない。
そんな余裕はありません。
精一杯で来たのでしょう、緊張したまま、はいってきたドアを出て行きました。
気の毒で、当方もなさけなく、若者が帰るときには夫婦共々こちらが頭をさげてしまいました。