商売やっている関係で夜の食事は遅いんです。夜7時まで店をやってるからそうなるんです。知り合いの化粧品屋さんとか、同じお菓子屋さんたちもたいていそうなんです。

で、昨夜のことです。

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二階の部屋でパソコン見てたんです。ウィスキー飲みながら。

「あんたー、ちょっと降りてきんさいなぁ。はようきんさいなぁ。」と下で食事を作ってる女将が呼んでる。

ウイスキーが少し残ってるコップを片手に持って下りていくと。

「餃子を焦がしちゃっただが!説明書通りにやったのに、それより火を小さくしてやったのにだで。」

そういえば焦がしたのはこれが初めてではない。

「説明書通りにするけいだがなぁ。その通りにすると焦げるだけぇ。」実はわしも焦がしたことがあるんです。栃木から送ってきた餃子だった。

昨晩は大阪のミンミンのもので4代目が買ってきてたものですよ。

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丸い皿の上にまあるくおいてある餃子がみごとに焦げてる。”おぅ!こげとっで!”といった風情なんです。

「あんたぁ、ちょっと食べてみてぇな。」小皿のたれを出していうんです。そのたれはもう二三個食べてみたような濁りよう。

食べれるか、どうか、本人も食べて気をもんでるんでしょう。

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いや、ここで食べねば男がすたると思いましたねぇ。

そのたれに漬けて、口へ運びました。

と、確実に焦げた餃子ですよ。

歯の間で砕ける。

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「備長炭食べたらこんな味がするんかなぁ?」というと、

「そりゃぁ言い過ぎだぁないか?備長炭だって!」とまぁいろいろ言い合いながら、そうなぁ、一番ワシがたくさん食べましたです。大女将はだまって食べた。

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ところで食べたあと川柳が湧いたんです。

胃カメラの 匂い消すのは 焦げ餃子

           活性炭 作 

十日ほど前に胃カメラ飲んで、まだまだその余韻が消化器へ残っていたんです。

これが、焦げた餃子によってその気配がしっかりなくたったのです。

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この一句にて女将も大笑いでした。

そういえばまだ箱半分の餃子が”焼いてくれぇ”と冷蔵庫へ残っている。

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焦がさずに食べたい。

誰が焼くことになるのだろう。

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わしだろうか?

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そういえば、今日神戸の妹が来るだがなぁ。

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