数日前に雪起こしの雷がえらく鳴っていた。そのあとに冬らしいものすごい強風だったので降るかと思ってたが、そうでもなく、今日になってやっと窓の外にひそかに降っている。大したことのない雪です。
とんどさんも終わり、正月らしい時も過ぎて次の季節の和菓子を作らねばならないわけです。
蕗の薹です。春なんですよ、和菓子の世界では。もっともかなりずれることもありますけどもねぇ。
五月なんか粽を作るのに、絶対に笹はない。だから去年の葉を使います。要は新旧の暦が違うからです。
日本の自然に西洋の暦はあわない。
これは鶯餅です。青きな粉を使うんですが、最近はいいものがない。それで普通のきな粉を混ぜて作ります。
これの作り立てはうまいです。毎年パートさんが楽しみにしています。
練り切りの梅ではなく、じょうようまんじゅうの梅です。で、今回梅餡を使うはずだったんです。が、私が忘れていて、例年のごとくに小豆漉し餡を使ってしまったんですよ。はは、女将ににらまれた。
これは季節の和菓子というわけではないですが、時々注文があるんです。そう、お祝いの時ですよ。
受ける注文には時に一枚(一箱)なんてときもある。そんなときである。鯛を木型で押しながら、「一枚も、十枚も手間は同じだけなぁ。一枚ってのはたいぎいで。」とつぶやいたんです。
すると店のほうから地獄耳が「十枚より一枚は楽だが!」と突っ込みを入れて来ました。
言葉通りだが、一枚も作らずに、口だけは達者である。
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