その道路の雪は凍っていました。
とにかくスピードをおさえて峠を越え、さあ、視界が開けた。
高いところから眺めるとその景色はなかなかいいものです。
ここで車を降りました。
空気は冷たいですよ。
周りは冬です。
でも小さな芽が枝に小さく萌えていました。
ところでこの山道に上り始めたときには、確かに通行止めの看板というかそれが置いてあった。
で、その横が車が通れるほどに開いていて、そこを通ってここまで来たんです。
ましてや軽トラが向こうからやってきた。
さらに雪にはわだちのあとが見える。
もう通ってもいいんだ、じき春だもん、と少し思ってた。
で、違ってた。
下って来ると、なんと車が通れないように通行止めの柵があるんです。
うん。
通行止めらしい、まだ。
とはいえ、しょうがないから動かした。
こんなこと良い子はまねをしないようにしましょうね。
麓の村は、おう、これが「鬼入道」ですよ。
知り合いのKさんがどこかに住んでいるはず。
この変わった地名にはなんかいわれがあるんでしょうね。
日本の原風景といってもいいと思います。
安心する風景ですよ。
これが通ってきた道。
まだ冬の、この眺め、なんかいいでしょ。
夏には周囲が豊富な緑でおおわれると思います。
鬼入道という地名には興味があったけど、ここまで来たことはない。
ここが「鬼入道」だ。
つづく。
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