さて、観光地図を手にした女将の言うとおりにやって来て、こんどは間違いがなかろうと確信を抱いた山への道です。
お寺に添うてある小さな道です。
少し登るとありました。
この看板、乙女峠とここで初めてしりました。
徒歩5分とある。
すぐだがなぁ、と、さぁ行こうで「山の教会」へ、とばかりに買ったばかりのスノーシューズで歩き出したのです。
この登りの初めにいちいち時計は見てないですよ。
5分と書いてあるから、たぶんカトリックの教会であれば、と、信用したんです。
なんと親切に手すりまで設置してあるじゃありませんか。
親切なことです。
女将いわく「空気が新鮮で気持ちがええがなぁ。」
まぁ、5分だけええわい。
登るんですよ、ひたすら。
耳は冷たい。体は熱くなってくる。
登るんです。
スノーシューズのおかげで足は暖か、滑りにくいです。
え?まだ登る。
女将は「空気がええなぁ。なあ、ええだろ!」
「そうかなぁ、これ、登山だで。」とワシ。
「こんな空気のとこはあんまりないで!そう思わんか?」女将です。
ワシ、息が切れだした。
せせらぎもあるでよ。
と、途中に、なんだ?看板じゃなく、こういうのはなんて言う?プレートが岩にはめ込んであった。
「手作り郷土賞」とある。
クリックしてくださいね。おおきくなるから。
この坂が郷土賞だそうだ。
だから、女将が言うように空気がええのだゎ。
スノーシューズのおかげですよ。フラストレーションためずにここまで来れたのは。
考えてみてください、津和野観光に来たはずなんです。
疎水を流れる水に鯉が泳ぎ、歴史ある古き建物に郷愁を感じ、教育熱心なこの国、西周、森鴎外のなんらかに触れるために来たのが、なんだ、山登りではないですか。ねぇ。
新鮮な空気ぐらい鳥取にもたくさんありますよ。
新鮮だらけだで、鳥取は。
こんな画像の山道づくりを見に来たのではないのです。
名物の「源氏巻き」を買って帰ればそれでいいのです。
と?5分以上はたっていると思うのですが、乙女峠の碑が見えた。
オ、着いたか?
それでも坂道に足跡が少なからずあるんですよ。
そしてついに女将の希望であった教会が、思ったより小さな質素な教会が目に入りました。
そう、どこにも歴史はあります。
つづく。